こんにちは仁さんです^^
革職人に興味がある人やホワイトカラーで働いていらっしゃる方にも読んで欲しい☆
AI時代における革職人のお仕事の考察をオーダーメイド職人歴14年目の創作鞄槌井の職人が書きました!
人々がコロナ渦前より移動しなくなって、持つものもシンプル化されて
独自の価値提供が出来ないと生き残れない厳しい時代になってしまい色々なお店が閉店していくことにより、逆に残っているお店にニーズが集約されていっている印象を受けます。
私のお店にも「前は~のお店いってたんだけど無くなってしまってね」ってお客様も大勢来てくださいます。
業界全体が衰退しているからこそ残るだけで、求めていただけます。

創作鞄槌井は自分たちで何でもします!
では創作鞄槌井の現状はどうかといいますと、ありがたいことにめちゃくちゃ忙しいです…!!
創作鞄槌井ではフルオーダーメイドが出来るので様々なオーダーを頂けます。
鞄・財布・革小物だけではなくて、時計ベルトやナイフケース、バイクや車、家具のパーツから特殊機械のケース更に製品だけではなくて持ち込みのリメイクや修理迄多種多様なお仕事の依頼を頂きます。
よくどんな物が売れますか?と聞かれますが正直まとまって多い物はなくて本当に多種多様なんです。
そんな状況なので創作鞄槌井ではかなりセーブしています。以前にもご迷惑をかけたようにオーダーメイドをストップする可能性もいつも隣り合わせ状態です。
さらにここだけの裏話で言うと・・こういう商品、切り口の紹介ならもっと沢山依頼を頂けるけど、これを本格的にオーダー頂くようにしたら、絶対に手がまわらなくなるので辞めておこうってお仕事が実はいくつかあります。(創作鞄槌井の強みをいかしたブルーオーシャンがいくつもあるのですが・・集客担当のみゆちゃんも分かっているだけに惜しいようです。オーダーの数が1年を通してオフシーズンなくぱんぱんなのでセーブしてくれています泣)



そんなに仕事があるなら人雇って拡大すればいいのにと思われるかもしれませんが、創作鞄槌井の仕事の特性上できないんです(涙)
何故なら一つ一つの細かな仕事ばかりなのです。
同じ製品を沢山作るのではなくて、様々な違う依頼の物を創るので一つしか作らない物が多くあります。
一点物を教えてできるようになってももう作る事は無いことが多いので、技術のある人に任せて仕事をするならいいのですが、人を使って教えてやってもらうような仕事ではないんです。
なので、創作鞄槌井の拡大は今のスタイルでは難しいですが、いつかオーダーメイドの経験をいかしたオリジナル商品の販売を任せられる人といいご縁があれば良いなとも考えてます。
上記に話したようなことは加速していくと思うので、これからもしっかりとMade in Japanの価値や独自の価値を創造しご提供できるかが問われると思います。

では最後に鞄職人は儲かるのか?というお話です。
最初に結論を言ってしまうと残念ながらあまり儲かる仕事ではありません。
何故なら一つ一つにコストが係るという事が大きな障壁になるからです。例えばデジタルでアプリを開発したら、それを使ってくれるお客さんを増やしたら基本的にコストをかけずに利益が増えます。
しかし創作鞄槌井のようなアナログな仕事ですと一つの製品を作るのに、それぞれ手間とコストがかかるので、売り上げは増えても利益率は増えません。
さらに、上記で話したように人にお願いできない仕事なので、大量生産のような事もできませんし、個人で作っていても作れる数には限界がありますが、食べるのに困るとか生活がキツイというほどでもありません。
普通に生活するのは困らないけど、一攫千金的な爆益を狙える仕事でもないですね。
ただフルオーダーメイド職人として仕事ができれば、一生食べていくには苦労しないし、息子が興味を持てば継がしてもいいと思えるくらいは食べるのに困らない仕事です。
これからAIで様々な仕事が奪われていくことを考えると、鞄職人のような手に職を付けていくのは、いい選択かもしれません。